新入生の皆様へ

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機械科学はあらゆる産業の根幹であります。本学科では数学、物理学に基づく4力学(材料力学、流体力学、熱力学、機械力学)を柱にした基礎教育を重視しています。この基盤の上に、機械科学の中でも最も洗練された分野のひとつである航空宇宙工学を研究することにより、高度なものづくりやシステムを構築し、社会に貢献しようとしています。

新入生へのメッセージ

大学時代の最も大切なことは「自分は何者なのか、何をしたいのか、何ができるのか」を徹底的に問いつめることにあります。それを考える時間も充分あります。若いときに自分の座標軸をじっくり見定めることは、自分の将来にとって極めて重要です。高校時代と異なり大学は諸君を大人として扱います。今までのように黙っていても世話を焼いてくれる組織も人もいません。その一例として学業関連の連絡は掲示によってなされます。この情報を見過ごしたために研究室配属の機会を逃し、留年をした学生もおります。その逆に1枚の掲示板から海外留学やインターシップに結びつけた学生もいます。

語学の常識

いまや国際化の時代です。社会に出てから好むと好まざるとに関わらず、海外派遣や仕事の打ち合わせ等を通じて外国人と接することになります。その中でも英会話はいまや常識です。幸い早稲田大学の語学はチュートリアル教育をはじめ他大学を抜きんでた成果を挙げています。理工学術院は科学技術を主体とした論文の執筆、プレゼンテーション、質疑応答など役に立つ英語教育を提供しています。若く吸収力の旺盛なときにこそ語学力を付けておきましょう。大学院生になると海外での発表は当たり前になっています。躊躇している人がいたらすぐにスタートしましょう。

叩けよ、さらば開かれん!

教員も皆さんと同じように悩める大学生でありました。恐れずに接近しましょう。1年生のときから研究室に入り込む学生もいます。教員にとっては、こうした学生との接触も楽しいものです。社会へ出てからも仕事の関係や、はたまた結婚の仲人まで、長い付き合いが生まれます。自ら大学・教授の門を叩けばいつもチャンスが貴君を待ちかまえています。逆に、大学院進学の決意、就職の決定、悩みの相談などは待っていても何も解決しません。早稲田大学は小さく叩けば小さく、大きく叩けば大きく応えてくれます。

大学卒業は何年まで

基幹理工学部では1学年は3年間、最長8年まで在籍可能ですが、その後は退学をせざるを得ません。単位を落とした結果、授業時間が重なり配当学年で科目を習得できないこともあります。大切なことは1年ごとにきっちりとケリをつけること、これに尽きます。最初が肝心で、1年・2年次を甘く見ると取り返しの使いなくなります。単位不足で卒業できなくなり就職内定が取り消しとなったケースも決して少なくないのです。

先輩からのメッセージ

誰よりも「空」に近づける学科

坂野 友香理 Yukari SAKANO<br />
所属:機械科学・航空学科4年(取材当時)<br />
横浜共立学園高等学校 出身<br />

坂野 友香理 Yukari SAKANO
所属:機械科学・航空学科4年(取材当時)
横浜共立学園高等学校 出身

幼少の頃から航空機・宇宙機の設計に携わることが夢であったため、進路選択の際に機械科学・航空学科を志望しました。航空部に所属し隔週で空を飛んでいることもあり、平日を過ごす学科でも週末を過ごす部活でも航空宇宙に関わることができ、充実した日々を過ごしています。
学科配属後の2~3年次において、初めに機械工学の基盤となる流体力学、熱力学、材料力学、ダイナミクスやその理論を構成する数学について学び、その後徐々に専門性の高い科目を履修します。航空宇宙工学に興味があった私は、航空材料学、ジェットエンジン概論、航空構造力学といった授業を履修しました。いずれの授業も非常に興味深く、今の研究に活きていると感じています。
現在は、航空宇宙輸送システムの研究を行う佐藤研究室に入り、ロケットや極超音速航空機のエンジンに用いられる液体水素燃料の流動シミュレーションをテーマに研究しています。

このように、憧れであった世界を間近で見ながら学問に取り組むことができるような環境は、本学科ならではの魅力であり、研究を進める上で大きなモチベーションとなっています。また、研究の中で、2年間学科で修得した内容に加えて副専攻として情報工学科で学んできた深層学習も取り入れようとしています。このような挑戦的なテーマに取り組むことができる点もこの学科の特色であると考えています。将来は航空宇宙産業界において研究者や技術者として活躍したいと志しているため、常に広い視野を持ちながらこれからも研究を続けて行こうと思います。

早稲田から世界一のものづくりを生み出そう!

古挽 彰 Akira KOBIKI<br />
学位:博士(工学)<br />
所属:IHI Europe Ltd.<br />
入社:石川島播磨重工業株式会社(現 株式会社IHI)(2007年4月)<br />
<br />
機械工学科 卒業(2001年3月)<br />
大学院 機械工学専攻 修士課程 修了(2003年3月)<br />
大学院 機械工学専攻 博士課程 退学(2006年3月)<br />
早稲田大学高等学院 出身

古挽 彰 Akira KOBIKI
学位:博士(工学)
所属:IHI Europe Ltd.
入社:石川島播磨重工業株式会社(現 株式会社IHI)(2007年4月)

機械工学科 卒業(2001年3月)
大学院 機械工学専攻 修士課程 修了(2003年3月)
大学院 機械工学専攻 博士課程 退学(2006年3月)
早稲田大学高等学院 出身

私は、早稲田大学で複合材料の分野で博士号を取得後、総合重工業であるIHIに入社しました。そのとき、IHIは複合材料で新しい航空エンジン部品を生み出そうというときであり、入社後は一貫してその研究開発を進めてきました。いまは、ロンドンに技術駐在し、ヨーロッパの新技術やイノベーションの風土を肌で感じ取り、日本の研究員たちにレポートしています。

学生時代には、専門科目履修に触れる中で特に材料分野に強い興味をいだき、実験科目で結果を形作るおもしろさを知り、材料の力学などの科目で理論を習得することで現象を考察する型を身に着けました。その後は材料力学系の川田研究室にて、自分で課題を見つけ出し解決するという研究室のスタイルにどっぷり浸かりました。年数を重ねる中で人数の増える研究チームの仲間たちとともにアイディアを議論し、リードし、ときにはつくりあげた型を打ち破って新しい成果を生み出すという充実した研究室時代を過ごしました。

企業におけるものづくりの世界は地道です。それでも一歩一歩と新しい価値を生み出さなくては、企業活動は成り立ちません。スピードも必要です。ぼやぼやしている時間はありません。仲間たちと目標を共有し、引っ張って行くリーダーが必要です。大学時代の研究活動は、高度な専門性だけではなく、研究開発の最先端でチームを率いるリーダーシップという大きな財産をもたらしてくれました。早稲田大学の機械工学の風土の中で、多くの研究者の中で成長し、世界の先端で戦うものづくりのリーダーを目指しましょう。