業績：カーボンニュートラル実現に向け，熱システムの大幅な省エネルギーを実現する熱的設計・制御の体系化が急務であるが，多大な労力と時間を必要とする熱流体現象の複雑な解析を余儀なくされるため，合理的な解析法の確立が求められていました。本研究は，流体力学，非平衡熱力学をベースとした熱システムの基盤解析にシステム工学的思考としての回路論的視点を導入した革新的な理論解析法を確立しました。
本研究により，熱の単一システムから，大規模システム群までの理論解析を可能としただけでなく，シミュレーターとして具現化し，高度な数理的知識なくヒートポンプシステムを中心に革新的なシステム開発支援を可能としました。本成果は，熱システムの解析だけではなく，熱，電気，動力エネルギー系の相互変換構造まで明示することにより，異なるエネルギー系を含むエネルギーシステム群の解析までをも可能としました。
これにより，エネルギー変換工学に共通しうるシステム解析論として，今後早急な実現が求められているエネルギーマネージメントシステムやデジタルツイン技術の構築等に対しても有効活用が可能となり，カーボンニュートラル実現に大きく寄与することが期待されます。
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